インフルエンザ脳症とは

インフルエンザ脳症はインフルエンザに罹った1歳~5歳の幼児におこりやすい症状です。
異常行動、けいれん、意識障害などの神経症状が急速に進行します。
発症は急激です。
インフルエンザにかかってから2日以内いつでもおこりえます。
脳症の発生は日本に多く欧米ではあまり見られません。
日本でも発症は減ってはきています。
ウィルスの感染経路は鼻の粘膜に感染して増殖し全身に広がります。
脳内からウィルスが検出されなくてもインフルエンザ脳症は発症します。
予防ワクチンを接種していても脳症になる可能性はありますが、免疫が高まれば発症の可能性は低くなるので、できれば生後6ヶ月から予防接種を受けたほうが発症のリスクを下げることが出来ます。
インフルエンザ脳症の前触れとしての異常行動には次のようなことがあります。
1急に歌ったり泣き出したり怒り出す。
2意味不明の言葉を発したりろれつが回らなくなる。
3幻覚症状が出る。
4人を正しく認識できない。
などです。
脳症が起こる原因ははっきり解明されていません。
仮説として次のようなものがあります。
インフルエンザの毒性が極めて強いため体の免疫系が強いダメージを受けます。
体内で病原体を排除する働きのあるサイトカインという物質には様々な種類がありサイトカインネットワークを形成しています。
インフルエンザウィルスはこのサイトカインネットワークに障害を起こします。
そのため過剰な免疫反応が起き脳内で免疫が正常に機能しなくなり、けいれん、意識障害、異常行動が起こりさらに血管が詰まったりします。
細胞の障害が多くなると全身状態が悪化し命にかかわる重症になります。
抗インフルエンザ薬であるタミフルやリレンザなどはウィルスの増殖を抑える薬なので早めに治療を行えば脳症になる確率も低くなります。

インフルエンザ脳症にかかった時の対応方法

主に5歳以下の幼児に特に発症が多いインフルエンザ脳症は対応を間違えると最悪の場合命を落とすリスクすらあるものです。
厚生労働省から診療ガイドラインが公開されてからはある程度致死率が低下しましたが、それでも発症した場合には1割ほどの子供が命を落とすことになりますから極めて危険な病気と言えます。
では子供がインフルエンザ脳症を発症してしまった場合にはどうすれば良いのかですが、これは何よりも早く病院に連れて行くようにしなくてはなりません。
インフルエンザ脳症の症状としては高熱や喉の痛み、咳や鼻水といったインフルエンザの症状に加えて痙攣やうわ言、意識の混濁と言ったようなものがありますから、インフルエンザにかかってしまった子供に痙攣が発生したり話しかけてもうわ言しか返ってこないといった状態になったのならばすぐに病院に行ってください。
もし深夜などで診療を受け付けている病院がわからないという場合には、ためらわずに119番に電話して救急搬送を依頼してください。
「救急車を呼ぶとお金がかかるから」と考えている人も多いのですが、実際のところインフルエンザ脳症を発症していた場合、またインフルエンザ脳症ではないかと疑えるほどの症状が出ているのならば救急搬送が不適切とみなされることはほとんどあり得ないことです。
救急車を呼んでお金を取られたと言うのは明らかに救急車の必要が無い軽度の症状やタクシー代わりに使おうとしたといったケースだけですから、子供の生死がかかっている状況で代金が請求されることはありません。
むしろ救急車を呼ぶのをためらってしまったことで子供が亡くなってしまった、後遺症が残ってしまったということになるといくら悔やんでも悔やみきれないことになりますから、インフルエンザ脳症ではないかと疑える症状が出た時には即座に病院に連れていくか救急車を呼ぶかのどちらかで対応しましょう。

インフルエンザとインフルエンザ脳症の違い

インフルエンザとインフルエンザ脳症の違いとしてはまず「インフルエンザはウイルスに感染することで発症する症状のことである」という違いが挙げられます。
38度以上の高熱や全身倦怠感、頭痛や悪寒といった症状を持つインフルエンザは例年12月ごろから3月ごろにかけて流行を見せる病気であり、単純にインフルエンザといった場合にはこのウイルス感染症のことを指します。
これに対して脳症とついた場合、これはインフルエンザウイルスによって引き起こされる合併症のうち脳に発生するものを指すのが普通です。
脳症の症状としては痙攣やうわ言、異常行動、重症の場合は心停止といったようなものがあり、特に5歳以下の幼児に発症することが多いという特徴があります。
そのメカニズムとしては体内に侵入したウイルスに白血球が反応してサイトカインと呼ばれる物質を大量に生成し、このサイトカインが脳に作用すると脳の血管に影響を与えて脳の水分を漏出させて脳をむくませる脳浮腫を引き起こすことで脳症に至るとされています。
現在では厚生労働省から診療ガイドラインが公開されたこともあって致死率は有意に下がっていますが、それでも発症した幼児の1割前後は死亡し、生存した幼児の3割前後に後遺症が残る恐ろしい病です。
そのためもし先に述べた症状、痙攣やうわ言、異常行動といった症状が幼児に見られた場合には可能な限り速やかに病院に連絡をし、必要に応じて救急搬送などを行うことが必要になります。
総括するとインフルエンザと言うのはウイルスに感染することで発症する病気であり、インフルエンザ脳症はウイルス感染症によって主に幼児に引き起こされる脳の病気であるといった具合になります。

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